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相続税の申告は、やっぱり税理士に任せよう
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「相続税の申告を税理士さんに頼むと、手数料を取られるから」「なんとなくやれそうだから」――。そんな理由で、相続税の申告を自分でする人がいます。確かに、それならお金はかからないし、税務署以外の他人に懐を覗かれることもありません。でも、それで損することもある、と税理士の平井良先生は指摘します。
相続税の申告書類は、「オーダーメイド」

今でも、税理士に頼まずに、自分で相続税の申告をなさる方はいます。恐らく、所得税の確定申告と同じような感覚なのでしょう。今年1月の税制改正で、相続税の納税対象者が増えましたから、これからそういう人がますます増加するのではないか、と私は感じています。

相続財産が自宅と通帳1枚で、自分は一人っ子だとか、ごく分かりやすい相続の場合には、わざわざ税理士に手数料を支払う必要はないかもしれません。ただ、そうでない時には、ちょっと考えもの。決してうちの事務所に来てほしいとかではなく、あくまでも一般論として聞いていただきたいのですが、相続税の申告は、専門家に頼んだ方がよろしいかと思いますよ。

そもそも、申告の書類は、財産の種類(土地とか現預金とか株だとか)や、相続を受ける人の人数や被相続人との関係などの条件に合わせて、それぞれ「オーダーメイド」で作成するようなもの。確定申告などに比べてはるかに複雑で、我々プロでも右から左へはいどうぞ、とはなかなかいかない代物なのです。よしんば税務署でOKが出たとしても、記載内容にミスがあって、後で申告漏れを指摘されたりしたら、目も当てられません。

「セットバック」を知っていますか?

無理して自分で申告したために、逆に損になることもあります。例えば、土地。税務署による土地価格の評価は、国税庁が毎年定める、相続税路線価という基準に準拠します。ただし、土地の形がいびつだったり、隣に火葬場があったり、あるいは自宅の敷地内にお稲荷さんがあるだけで、その評価額を引き下げることができます。すなわち、納める税金の額を減らしたり、場合によっては免税になることだって、ありえるわけですね。

「お稲荷さん」なんて、普通の人は考えつかないでしょう。今述べたように、税務署は「路線価ありき」ですから、親切に「お宅、お稲荷さんあるじゃないですか」と、「指摘」してはくれません。

私が事務所を構えるのは、東京の荒川区。典型的な下町です。狭い道の両側に、家屋がびっしり立ち並んでいるような場所が少なくありません。こうしたところでは、主に防災上の理由から、行政によって道路の幅を広げる計画が決まっていることがあります。将来的には、土地の敷地を後退させて、そこが道路の一部になるわけです。この場合の、土地の後退のことを「セットバック」と言います。その対象になっている土地は、やはり評価額を引き下げることができます。

この「セットバック」も、路線価の載った地図を眺めていても、分かりません。当の本人が知らないケースも多い。でも、しっかりした税理士さんなら、役所に出かけるなりして調べてくれるでしょう。専門家に依頼するメリットって、そういうことなのです。

余談ながら、私は東京の下町に事務所を構えている、と言いました。地域のお客さんを相手にしていると、つくづく「下町気質」のようなものを感じます。相続に限らず、「こっちは何も分からない。先生の言う通りにするから、とにかく任せたよ」と、案件は“丸投げ”。事務所が単純なミスをしても、「いいよいいよ、先生に頼んだことなんだから」と、さっぱりしたものなのです。ただし、「任せた」と言いながら、ちょっとした事実を隠していたりすることもあるので、気は抜けないのですが(笑)。

個人的には、これからもそんな下町で、気軽に地域の人たちの相談に乗る、「長屋の頭領」のような存在に徹したい、と思っています。

カテゴリ:節税
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