遺産をどう分けるかは、「親の権利」である ┃ 相続に強い税理士紹介 相続財産センター

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遺産をどう分けるかは、「親の権利」である
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遺産相続について、民法には、遺言書がない場合の分け方=「法定相続分」や、自らに不利な遺言書があっても、最低限受け取れるもの=「遺留分」の定めがあります。そうしたこともあって、「相続人には、遺産相続を受ける当然の権利がある」と捉えるのが一般的ではないでしょうか。でも、法で決められているのは、あくまでも「相続分の目安」にすぎません。税理士の高橋正光先生は、「被相続人が、遺産を分けたいように分けるのが相続の本質です」と話します。
財産は、先祖や親が築いたもの

民法では、ある人が亡くなった時に、遺産相続を受けられる人間を、「法定相続人」と定めています。そう言われると、対象になっている人は、「私には遺産を受け取る権利があるんだ」と、何の疑いもなく思いますよね。当然のことながら、その権利は守られなければなりません。しかし、一方で、あまりにもその意識が強いがために、いざ相続となると、相続人、特に子どもたちがお互い譲らず揉め事に発展する、というケースが山ほどあるのも、また事実なのです。

誤解を恐れずに言えば、相続というと、まず「遺産をもらう相続人の権利」が語られるのは本末転倒だ、と私は思っています。優先されるべきは、「遺産を分ける被相続人の権利」のはずなんですよ。

考えてもみて下さい。親の財産は、前の世代から代々受け継がれたか、あるいは親が頑張って築いたものでしょう。子どもが、親の事業を手伝ってその拡大に大いに貢献した、といった家もあるかもしれません。そうした場合に、相応の「寄与分」(*1)を主張するのなら理にかなっていますけど、それは例外中の例外。実際には、子どもは、親の脛をかじる「マイナスの寄与」しかしていない場合がほとんどでしょう。その結果「残った」親の財産を、その死後にさらに子ども同士で「奪い合う」というのは、おかしなことだと感じませんか?

遺言書の意志は、「法定相続分」に優先する

そもそも、民法は、「前二条の規定にかかわらず、遺言で、共同相続人の相続分を定め、又はこれを定めることを第三者に委託することができる」(九百三条)と規定しています。「前二条」とは、「法定相続分」と「代襲相続(*2)人の相続分」のこと。要するに、遺言書で、「遺産をこう分けたい」という被相続人の意志が明示されていれば、それは「法定相続分」などの定めに優先するわけです。法律上も、被相続人の考えは、最大限重視されているんですよ。

そうはいっても、実際に争いになってしまった相続人に対して、「あなたたちが権利だけを主張するのは、間違っている」などと言ったら、諍いの火に油を注ぐことになるでしょう。「正しい権利意識」を持ってほしいのは、「被相続人候補」、すなわち親の世代の方々にほかなりません。裏を返せば、そうした権利意識に目覚めていない人が、まだまだ多いんですよ。セミナーなどで、「遺産をどう分けるかは、みなさんの権利なんですよ」という話をすると、「言われてみれば、そうだよね」という顔をされる方がほとんど。

そんな人たちに対して、「だからこそ、その権利を形にした遺言書を書きましょう」と、私は話すのです。権利は、行使しないと意味がありません。実際、そういう話を聞いて、遺言書の作成に取りかかってくださった人も、たくさんいるんですよ。

遺言書で、遺産分割のやり方を決めるのは、被相続人の権利。経験上、その権利を行使しなかったばかりに、逆に子どもたちの間で遺産相続をめぐるバトルが発生することが非常に多いということも、申し添えておきたいと思います。

*1「寄与分」 相続人の中で、被相続人の事業を手伝うなどして、その財産の維持・増加に貢献した相続人には、法定相続分に加えて「寄与分」として財産がもらえる

*2「代襲相続」 本来、血族として相続人になるはずだった人が、相続開始以前(同時死亡を含む)に死亡していた時などに、その子や孫が代わって相続人になるという制度

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