本当にあった「世にも不思議な相続」 ┃ 相続に強い税理士紹介 相続財産センター

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本当にあった「世にも不思議な相続」
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相続は、その家族のありようを、如実に映し出します。その経緯も、千差万別。仲の良かった兄弟姉妹が遺産をめぐって骨肉の争いを繰り広げる、というのはよく聞く話ですが、反対に、莫大な資産を前にして、わざわざ相続を「辞退」するようなケースもあるのだそうです。税理士の村越雅規先生が遭遇したのは、こんな事例でした。
7人中5人が「遺産はいらない」

すでに妻を亡くしていた80歳代の自営業の男性が、土地や現金、合計で10億円を超える資産を残して亡くなった、という案件の、相続税申告の依頼を受けました。男性に子どもはおらず、親もすでに亡くなっていたため、民法の定めによる法定相続人は、男性の兄弟7人ということになりました。依頼にいらっしゃったのは、その中の長男に当たるAさんでした。

まず驚いたのは、Aさんを除く6人の兄弟のうち、遺産相続を望んだのが1人だけだった、という事実でした。他は、「全部、長男がもらえばいい」というスタンス。いわゆる家督相続のパターンです。

ちなみに、相続は放棄することもできます。負債も相続されるので、被相続人が大きな借金をしていた場合には、よく使われる手法ですが、稀に財産がもらえるのに相続放棄される方もいます。それにしても、頭割りにしても1人1億5000万円ほどになります。なぜ、5人もの人が「いらない」と言ったのか? Aさんに聞いても、明確な理由は判然としませんでした。みんな70歳以上の高齢でしたから、もらっても仕方がない、と考えたのかもしれません。

7人の法定相続人のうち5人が相続を放棄しましたから、本来は、残る2人で半分ずつ、ということになります。でも、もう1人の方も「自分は、7分の1でいい」とおっしゃって、兄弟間の遺産分割は、一応それでまとまりました。

漂ってきた「犯罪」の臭い

ただし、遺産分割協議は、今現在も最終決着には至っていません。わざわざ「兄弟間の……」と言ったのは、この相続には「続き」があったからです。実は、被相続人には、高齢になってから再婚した後妻がいて、その連れ子に3000万円程度の不動産を渡す、という遺言書を残していました。

事実は分かりませんが、ご長男によれば、そもそもこの再婚自体、「遺産目当て」の気配が濃厚だったそう。10億円という金額を聞けば、「なるほどな」と思える話ではあります。仮にそうだとしたら、後妻の方は、その目的を果たすこと叶わず、自分が先に死んでしまったことになりますが、問題は、Aさんが持ってきた、被相続人名義の預金通帳でした。被相続人が亡くなる数年前から、毎日、40万円ずつ引き出され、その総額が3億円程度にまでなっていたんですね。

Aさんの推測だと、預金を下していたのは連れ子。晩年、寝たきりに近かった被相続人が、毎日数十万円ものお金を使うはずはないし、後妻が亡くなってからも預金の引き出しが続いていた、というのが理由です。

この場合、被相続人と連れ子との間に、「あげる・もらう」という合意があれば、贈与ということになります。仮に、連れ子が勝手に引き出していたのなら、不当利得ですから、相続人は返還を求めることができます。返還された分を遺産に含め、あらためて相続分を決める、というのが本来の姿。もちろん、相続税の対象にもなります。

ただ、「被相続人のお金が、連れ子の手に渡っていた」というのは、あくまでも推測。もし返還請求を求めるとすると、「被相続人が下していたんだ」という主張を、覆す必要があります。これが、そんなに簡単なことではないんですね。弁護士さんを交え、現在、最終的な対応を協議しているところです。

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