ところで、遺産は誰に譲るべき? ┃ 相続に強い税理士紹介 相続財産センター

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ところで、遺産は誰に譲るべき?
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「子どもが相続で揉めないためにも、しっかり遺言書を残しましょう」。遺産相続に関する、定番のアドバイスです。しかし、そう言われても、いざとなると、どう分けたらいいのか、思い悩んで、内容を決められない人が多いのも事実のようです。税理士の村越雅規先生は、「相続の基本」を、こう考えています。
「遺言書を書くのが怖い」

民法では、遺言書がない場合に被相続人の財産をどう分けるのかを、例えば「配偶者2分の1、子どもが2分の1」というように、法定相続分として定めています。裏を返せば、遺言書に書かれたことは、法定相続分に優先するのです。自らの遺志をきちんと表すために、きちんとした遺言書を書くのが理想であることは、言うまでもありません。

ところが、現実はどうかというと、なんとなくその大切さは分かっていても、したためる決心がつかない、という方がとても多いんですね。理由は様々で、今の高齢者は元気ですから、そもそも「自分が死ぬ」ということを、現実感を持って受け止められない方が、意外にたくさんいます。また、「うちの子どもたちは仲がいいから、遺言書などなくても、遺産で揉めたりはしない」という人がいれば、「遺言書で分配に差をつけて、争いになるのが怖くて書けない」という方もいらっしゃいます。

私が今、相続の準備を依頼されている70代の女性も、そんな方の1人。亡くなった夫が残した不動産や株を中心とする資産は、数億円のレベル。50代の息子は未婚、他方、娘は結婚して子どもがいます。

本来ならば、名を受け継ぐ長男に多くの財産を譲り、家を守っていって欲しいけれど、それをさらに引き継ぐべき、孫はいない。相続の後、独り身が寂しくなった息子が、突然、若い女性などと親密になるのも心配です。配偶者になると、息子が亡くなった時、法定相続分に従えば、遺産の4分の3は彼女のものになってしまうのです(*)。

考え始めるときりがないように思えますが、大事な資産を相続させるのですから、「先の先」までシミュレーションしてみるべきだ、と私は思っています。

家を継ぐのは誰か、面倒をみてくれるのは誰か

子どもたちに、遺産をどのように分けたらいいのか。悩ましい問題を解決する一つの方法として、次の2つの要素から考えてみることを提案しています。

まず、「家を継ぐのは誰か」。さきほどの例で言えば、子どもはなくとも、やはり長男と考えることもできるし、子どもがいる娘のほう、と割り切ることも可能かもしれません。一般的に、資産が先祖代々受け継がれてきたものである場合などには、当然、それを引き継ぐ人間を決めて、相続を行うことになるでしょう。その代わり、引き継いだ人は、法事をきちんとするとか、墓を守るだとかの義務を果たす必要があります。その形であれば、他の相続人からも、異論は出にくいと思います。

そしてもう1つ、「自分の面倒をみてくれるのは誰か」というファクターです。この点を考慮した遺言書もなく、例えば法定相続分に基づく「平等な遺産分割」になったために、兄弟間の争いが勃発する、という例は、枚挙にいとまがありません。

これら2つの要素の重要度は、家族によって異なるでしょう。後世に引き継がなければならない家業や資産があれば、前者のウエートは大きいし、介護に子どもの力は借りないというのだったら、後者は検討しなくていいことになります。それぞれのバランスを勘案しながら、一度整理してみることをお勧めします。

*このケースの法定相続分は、子ども(第1順位)がおらず、親(第2順位)もいないため、第3順位の「配偶者4分の3、兄弟姉妹4分の1」になります。

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