ちょっと待った! 不動産の「共有名義」 ┃ 相続に強い税理士紹介 相続財産センター

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ちょっと待った! 不動産の「共有名義」
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遺産の不動産をどうするか? すぐに売却は難しい。さりとて、誰か一人が相続したら、明らかな不平等が生じてしまう。だったら、相続人の「共有名義」にして、みんなで等分すればいいじゃないか――。一見、平等で合理的に見えるこのやり方。実は、将来に禍根を残しかねない、“禁じ手”でした。税理士の仁科忠二郎先生に聞きました。
相続財産のほとんどが「共有」だった

前回、私がやった教授一家の相続の話をしました。ちょっとおさらいしておくと、不動産に預金などを合わせて10億円を超える資産家の父が亡くなり、妻と長男、長女の相続が発生。遺産分割協議自体は、すべての不動産を長男が相続し、預金などは3人の相続人が分配することで、それほど揉めることなく決着。ただ、夫よりも収入が多く、立場も強い「長男の嫁」が、協議の場で陰に日向に影響力を行使していた――というストーリーでした。

さて、遺産分割協議はまとまり、相続税の申告も無事終ったのですが、実は先行きを考えると、頭の痛い問題が残ったままでした。ご長男の相続した不動産、賃貸マンションや貸店舗、駐車場など、10ほどもある物件のほとんどすべてが、「共有名義」になっていたのです。だから、今回の不動産の相続は、正確には「息子が、それぞれの物件についての、被相続人(父)の持分をすべて相続した」ということなんですね。

遺産を調べるために、謄本を取り寄せて、その事実を知った時には、愕然としました。しかも、「妻と共有」ならいざしらず、大半は妻と息子に娘、さらには焦点の「長男の嫁」までが名を連ねていました。こんなに多人数の共有にすること自体、通常では考えられないこと。嫁まで含めたのには、「〇〇家を、しっかり継いでいって欲しい」という、長男夫婦への特別な思いがあったのかもしれません。
共有名義、なぜ問題か?

ただし、そんな思いとは裏腹に、不動産の共有名義は、あとあとトラブルを生むことが、とても多いのです。

例えば、何らかの事情で、名義人の誰かに、物件を売ってお金を作らなければければならない事情が生じても、名を連ねる全員の承諾がなければ、売却することはできません。かつ、名義人が亡くなれば、次の相続が発生することに注意が必要です。その人の配偶者に、子どもにと、元の家族からすると「他人」も含めて、相続人つまり共有名義の人の数が、どんどん増えていくことになるんですね。

この一家の場合だと、仮にお母さんとご長男が亡くなれば、ご長女と「長男の嫁」が共有、ということになるかもしれません。そもそも二人は「他人同士」。ご長女は。忙しく子育てもしていましたから、頻繁に実家に顔を見せるというわけではなく、特別に親密な関係を築いているようにも見えません。なんとも微妙な関係の人間が、不動産を持ち合うことになるわけです。そういった可能性を、亡くなったお父さんは、はたして認識していたのでしょうか? 私には、そうは思えないのです。

お母さんが亡くなった時に二次相続も含めて、今後、このご家族の資産がどう維持されていくのか、現状では何とも言えません。不動産に関して言えば、理想は、息子さん名義の単有に持っていくことですが、母親や妹は応じても、肝心の妻が首を縦に振るか。悩ましい状況が続きそうです。

繰り返しますが、次の世代以降に想定外の争いを生みかねない、不動産の共有名義は避ける。それが鉄則ですよ

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