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「書面添付」で税務調査を回避する
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相続税の申告が終わってやれやれ。ところが、1年以上経ってから、突然、税務署から「相続税の申告について、おうかがいしたいことが……」と電話がかかってくる。そんな税務調査は、誰しも勘弁願いたいもの。基礎控除額の引き下げで課税対象が広がった結果、あなたの身にも、それが起こるかもしれません。税務調査を、より確実に回避する術はないものか? 税理士の木村智行先生は、「『書面添付』が有効です」と話します。
「『書面添付』で終わる」可能性は高まった

前回、相続税の申告における「書面添付制度」についてお話ししました。申告書に、税理士が「どのような資料に基づき、どんな検討・判断を行ったのか」といった内容を記載した書面が添付されていれば、税務署が税務調査の必要性を感じたとしても、直接調査に出向く前に、税理士への「意見聴取」を行う――というのが、この制度の概要です。

国が、今年1月からの基礎控除額の引き下げに伴う相続税申告の大幅増加を見据え、これを積極的に活用することによって、「調査の簡素化」を意図していることも、前回述べました。要するに、時間もコストもかかる税務調査をやらなくても、適正な申告をしてもらおう、そのために、今まで以上に書面添付を重視しよう、ということですね。

実際のところ、今までは、税理士への意見聴取を行っても税務調査に入る、というケースが少なくありませんでした。しかし、前回で述べたような税務当局の動向を見る限り、今後は「書面添付案件についての疑問は、極力意見聴取の段階で解決する」という方向性が明確になってくるのではないか、と私は考えています。

このことは、相続税を申告する側からみると、「きちんと書面添付された申告については、税務調査に入られるリスクが減る」ことを意味します。税務調査を回避する有意義な手段であることは、間違いないでしょう。
「小規模の申告」には、特に有効?

書面添付は、法人税など他の税金の申告でも認められています。私は多くの企業の顧問税理士をしていますが、経験上、特に年商1億円以下の規模の会社だと、書面添付さえしておけば、ほとんど税務調査は行われない、という感触を持っています。

相続税の申告においても、基本的に同じ傾向になるのではないでしょうか。前々回、税務申告に関しては「階層型調査」が実施されるため、「小規模、少額の申告だから、税務署は来ない」ということはない、と述べました。それはそうなのですが、実際に調査のターゲットになるのは、やはり「大規模」のほうが多いのも事実。「小規模の申告」に書面添付を行えば“鬼に金棒”である、ということが言えると思います。

あえて付け加えると、大規模な法人の法人税の申告においては、書面添付をし、意見聴取を受けたにもかかわらず、調査に入られることも、たまにあります。ただし、その場合にも、意見聴取で税務署の「狙い」を知ることができます。実地の調査まで数週間程度の期間がありますから、十分な事前の準備も可能なんですね。書面添付のない場合には、意見聴取なしに調査になりますから、添付するのかしないのか、その点でも大きな差になります。これもまた、相続税申告の場合にも当てはまるのではないでしょうか。

とはいえ、「どんな中身でも、とにかく書面添付をやっておけばOK」というわけでは、もちろんありませんよ。次回は、そのあたりのお話を。

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