経営者による生保活用術~相続と生命保険⑤~ ┃ 相続に強い税理士紹介 相続財産センター

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経営者による生保活用術~相続と生命保険⑤~
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会社経営者にとって、「自らが亡き後、事業がどれだけ円滑に回っていくのか」が重大な関心事であることは、いうまでもありません。相続には、普通の親子などの場合とは違った難しさもあります。さて、そんな「経営者の相続」にも、生命保険が有効に使える場合があります。税理士の新村貢一先生に聞きました。
経営者の会社への貸付がネックに

私は、多くの会社の顧問税理士をしていますが、中小企業の社長さんには、会社に現金や、駐車場のための土地などの不動産を貸し付けている人が、普通にいるんですね。ところが、この貸付が、社長が亡くなって事業承継が行われた後で、問題になることがあるのです。

事業の後継者が、それらのすべてを相続できればいいのです。禍根を残すのは、それができなかった場合。例えば、全部を相続すると他の相続人の遺留分(*)を侵害してしまうため、会社経営に無関係な他の兄弟などの相続人も、父親の会社への貸付金や、貸していた土地などを相続した、といったケースなんですね。

これのどこが問題かというと、相続が終わった後、後継者以外の相続人が、会社に対して「貸している土地の地代の値上げ」、あるいはその「買い取り」、「貸付金の返済」などを要求してくる可能性があることなんですね。そこで話がこじれて、万が一訴訟になったりすれば、安定的な経営に支障をきたすかもしれません。

「そうした事態に備えて、会社にお金を用意しておきましょう」「そのために生命保険が使えますよ」というのが、今回のお話です。

法人税も考慮して、受取額を設定する

保険には、「契約者」=保険を契約し保険料を払う人、「被保険者」=保険の対象者、「受取人」=保険金を受け取る人――がいます。生命保険の場合は、被保険者が亡くなると、受取人が保険金をもらえるわけですね。そのことを踏まえたうえで、会社が「借りている不動産を買い取る」「借金を返済する」場合について、どうすればいいのかを考えてみましょう。

買い取り資金を用意する必要があるのは、会社です。ですから、受取人は会社。かつ契約者も会社で、被保険者は経営者、という生命保険に加入しておけばいいんですね。こうしておけば、経営者であるお父さんが亡くなると同時に、会社にお金が入ります。

では、いくらくらいの保険に入ればいいのか? これは、「『買い取るべき不動産の価格』『返済すべき借金の金額』÷(1-0.32)」が一つの目安になるでしょう。

難しそうな数式ですけど、中身は簡単。「0.32」というのは、「法人税の実効税32%」のことなんですよ。会社が保険金を受け取ると、それには法人税がかかってきます。もし、保険金の受取額を買い取り価格と同額にしておくと、32%は法人税で持っていかれてしまうため、手元には必要額の68%しか残らなくなってしまいます。そうならないために、初めから買い取り価格の147%を受け取れるようにしておきましょう、ということなのです。

せっかく保険料を支払うのならば、後で「しまった」とならないように、賢く、漏れなくプランニングしたいものですね。

*遺留分 民法に定められた、法定相続人が最低限受け取れる財産

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