申告準備に七転八倒の夫を見かねて… ┃ 相続に強い税理士紹介 相続財産センター

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申告準備に七転八倒の夫を見かねて…
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相続税の申告を税理士に依頼すると、お金がかかる。いっそのこと、自分でやってしまおうか――。そう考えたくなるのは、人情というもの。今年1月の基礎控除の大幅な引き下げで、相続税の申告、課税対象者が増えただけに、実際に納税者自身で申告準備をするケースも、多くなりそうです。ただ、無理して自分だけでやったばっかりに、多く税金を払う羽目になったのでは、元も子もありません。税理士の山下桂先生には、こんな経験があるそうです。
プロに任せたことで、500万円の節税に!?

前回、税理士会が、相続に関する一般向けの相談会を開いている、という話をしました。今回は、そこで相談員をやった時に出会った、ご夫婦のお話をしてみたいと思います。

ご夫婦が相談会に来られた時には、ご主人に「なんとか一人で申告したい」という意向が強くありました。そこで、一応、申告書の記載方法などについて説明したうえで、「でも、一般の方が申告書を作るのは、なかなか大変ですよ。何かあったら、いつでも連絡をください」と名刺を渡して、お帰りいただきました。

さて、それから1か月ぐらい経った頃でしょうか、奥さまから電話をいただきました。聞けば、案の定、「主人が、相続税の件で七転八倒しているんです」とのこと。悩み苦しむ姿を見るに見かねて、私に電話したのだそうです。「先生に頼むと、お金はどれくらいかかるのですか?」と聞かれたので、規定の金額を答えると、「それくらいなら、お願いしたいと思います。これから主人を説得してみます」とおっしゃいました。私の依頼人になったのは、そんな経緯でした。

ご夫婦には、長男と長女、二人の子どもがいました。相続財産は、長男夫婦との「2世帯住宅」の不動産と、預貯金がメインで、総額2億円ほどでした。ご主人は、遺言書を作成していて、長男に3/4(ほぼ同居)、長女に1/4(遺留分を念頭に)となっていましたが、相続税が1700万円以上となり、納付が困難なため自宅の売却も必要な状況でした。そこで相続人は、一旦母親にも相続していただく遺産分割協議書の作成を検討していました。法定相続分に従って、母親2分の1、子どもが2分の1の頭割りで4分の1ずつを受け継ぐ、という相続を基本に、不動産の分け方などを考えていらっしゃったんですね。

重要なのは、この家族の相続は一度だけではない、ということです。父親が亡くなった一次相続の後、母親が亡くなれば、今度は二次相続が発生するわけですよ。ご主人の当初案だと、相続税は一次、二次合わせて、500万円ほどになることが分かりました。遺産に占める現金の割合はわずかでしたから、へたをすると税金の支払いに困難を生じるかもしれない状況だったんですね。

相続は専門家でも難しい

節税の上で一つのポイントになったのは、前回もお話しした「小規模宅地の特例」です。親と同居しているなど、一定の要件を満たせば、自宅の相続税上の評価額を、最大8割減らせるわけですね。詳細は省きますが、このケースでは、お持ちの不動産にその特例をフルに活用するためには、ちょっとした工夫が必要でした。それをやったうえで、二次相続まで見越したシミュレーションを行ってみると、なんと相続税をほぼゼロにすることができたんですよ。

そのプランに、ご夫婦が大変喜んでくれたのは、言うまでもありません。ご主人は、「初めから頼んでいれば、あんなに悩む必要はなかったのに」としみじみおっしゃっていました。専門家でない普通の人間が申告を行うことの「怖さ」についても、実感なさったはずです。

実は、小規模宅地の特例は、専門家である税理士でも評価が分かれたりすることがあるほど、難解な仕組みなんですね。相続には、それ以外にも「一般の納税者さんには、ちょっと無理」な決まりがたくさんあります。ごく単純なケースを除いて、相続税の申告には、やはりその分野に詳しいプロを使うのが無難だと思いますよ。

カテゴリ:節税
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