コツコツ貯めた妻の「へそくり」。そのお金は誰のもの? ┃ 相続に強い税理士紹介 相続財産センター

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コツコツ貯めた妻の「へそくり」。そのお金は誰のもの?
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夫の給料から、毎月少しずつのお金を、コツコツ貯め込む。中には、それを自分名義の通帳でやる人がいます。いわゆる「へそくり」ですね。ただしこれ、相続の際には「名義預金」とみなされる可能性があります。たとえ妻の通帳に入っているお金でも、夫の財産と判断されて、相続税算出のベースとなる遺産にカウントされてしまうのです。ところで、税理士の山下桂先生は、ケタ違いに多額のへそくりに遭遇したことがあるそうです。
名義預金にご用心

夫から受け取った毎月の給料の一部を、へそくりとして貯め込んでいる方は、少なくないと思います。ただし、夫が亡くなって相続が発生した時には、それが問題になる場合があります。仮に自分名義の預金通帳にお金を積んでいたとしても、それは名義預金とみなされることがあるのです。

名義預金とは、「形式的には親族の名前になっているものの、実質的には別の『真の所有者』がいる預金」のことです。「親族は、単に名前を貸しているに過ぎない」と判断される場合ですね。多いのは、親や祖父母、すなわち被相続人が、子や孫など相続人の名義で、彼らにないしょで通帳を作るパターンですが、逆に相続人である妻が、夫に黙って貯めたへそくりも、「真の所有者は夫だ」ということになるんですよ。

「節約したおかげで、これだけへそくりが貯まったわ」と悦に入るのはいいのですが、それらが名義預金だと認められれば、相続の際には、被相続人の遺産に加えられてしまうことになります。「そんなの知らなかった」という事態は、避けたいもの。

とはいえ、普通の主婦がどんなに頑張って貯めたとしても、せいぜい数千万円が限度でしょう。ところが、私はケタの違う金額が記載された通帳を見せられて、驚いた経験があります。しかも、その奥さんは、「財を成した」まま、夫よりも早く亡くなってしまいました。奥さんは、亡くなった時70代。元公務員の旦那さんは80歳くらいで、二人には娘が一人いる、という家庭でした。

あえて「妻の財産」として申告

旦那さんは、妻が亡くなって、通帳やら何やらを調べて、仰天しました。なんと自分の知らない妻名義の預金が、1億円を軽く超えていたんですよ。奥さんが、自分の親から相続を受けた財産なども含まれてはいたのですけれど、30年、40年とコツコツ蓄財していたのは確か。まさか、自分が夫より先に逝くとは、想像することもなく……。

もし、奥さんの考え通りに夫が先に亡くなっていたら、名義預金とみなされる公算大。相続人である奥さんや娘さんは、多額の相続税の支払いが避けられなかったかもしれません。しかし、この案件は、お話ししたように、預金をしていた本人の相続でした。名義預金である、すなわち「これは被相続人の財産ではありません」と、夫の側にそっくり戻せば、相続税はゼロなんですね。一見、有利に思えますが、すでに自宅などの資産を持っている旦那さんが亡くなって二次相続になった時、今度は娘さんに、過大な相続税がかかってくる、という問題がありました。

そこで、まず「妻の本当の財産」を洗い出すことにしました。奥さんのご兄弟に話を聞くと、病気がちだった奥さんを心配して、ご両親は生前にちょくちょく「援助」をしていたことが分かりました。はっきりした金額は分かりませんが、それも彼女の財産です。奥様のご両親の相続によって財産が形成されていることも判明しました。一方で、旦那さんの収入の推移なども子細に検討していった結果、預金の大半を「妻固有の財産」としても不合理ではない、という結論を導くことができたんですよ。

そのうえで、その奥さんの遺産を、すべて娘さんに相続してもらいました。もちろん、相続税は発生しましたが、トータルで考えれば、そのほうが納税者にとって有利なのは、明らかでした。

このように、相続になってから想定外の事態に直面すると、相続人は困惑するしかありません。たとえ家族を思ってしたことでも、お金のあれこれを秘密にしておくのはリスクが高いことも、頭の隅に置いてほしいですね。

カテゴリ:生前贈与
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