相続で揉めないために留意したい「公平感」 ┃ 相続に強い税理士紹介 相続財産センター

トップページ > 遺産相続 「先生 教えて !」 > 相続で揉めないために留意したい「公平感」

相続で揉めないために留意したい「公平感」
vol.119img
相続のあり方も、家族関係によって千差万別です。「家業を継いでくれる長男に、財産の多くを渡したい」「実家に寄りつかなかった次男は、遺留分(*)だけで十分だろう」――。もちろん、「子どもたちはみんなかわいい。だから遺産は公平に分けたい」と考える親も、多いはず。ただし、金額的に「みんな同じ」なら、子どもたちもそう受け取ってくれるのか? 公認会計士・税理士の古川勉先生は、「それぞれ異なる、子どもの経済状態などにも目を向けることが大事です」と話します。
相続人の生活も、一様ではない

よく、他山の石として、「揉めた相続」のお話をするのですが、逆に「揉めなかった相続」はどういうものだったのかを考えてみると、まず、被相続人、すなわち親の遺産の大半が現金で、しかもほんの僅かしかない場合ですね。これは、ほとんど揉めようがありません。お金を平等に分けて、おしまいです。また、「かなりの資産家」といった場合も、早くから相続対策をきちんとやるからなのか、意外に骨肉の争いにまで発展しないことが多いように感じます。一番「危険」なのは、言い方は変ですけど、中途半端に財産を残したケース。「大した遺産ではないから」と被相続人が何もしないまま亡くなったりすると、些細なことから遺産の奪い合いが始まり、収拾がつかなくなることもあるわけですね。

今のは、被相続人の経済状態ですが、一方、遺産をもらう側の生活実態も、遺産相続で「揉める・揉めない」の重要なファクターだ、というのが私の実感なんですよ。「金持ち喧嘩せず」とはよく言ったもので、裕福な暮らしをしている人は、親の遺産など当てにしないのが普通。自宅の車庫にベンツが鎮座しているような子どもばかりだったら、実際、争いにはなりにくいのです。

しかし、実際には、兄弟に「ベンツの兄」と「国産軽自動車の弟」が混在しているようなケースが珍しくないでしょう。その場合には、相続にもひと工夫必要だ、と感じるのです。

親として、やれることはやる

子どもたちの生活に、経済面で目に見えるデコボコがあった場合、親が「平等に」と同額ずつを相続させたとしたら、「国産車の弟」は、どう感じるでしょうか? そこに、「小さな頃、両親は兄貴をかわいがり、僕にはお下がりばかりだった」というような感情がかぶされば、「争続」の原因にならないとも限りません。

親として考えるべきは、「平等」は「公平」とは違う、ということだと思うのです。所得の少ない相続人に、比較的手厚い相続が行われたならば、彼は「やっぱり父は、自分のことも大事に考えてくれていたんだ」と感じるはず。他の兄弟も、そういう理由の「不平等」だったら、納得しやすいはず。

とはいえ、そこまでやったからといって、子どもたちすべてが納得の相続になる保証はありません。「もっとくれてもいいのに」「なんで、遊んでばかりのあいつが優遇されるのだ」と、争いのタネは尽きまじ……。

思うに、「とにかく、親としてできることはやる」姿勢が大事なのではないでしょうか。ここまでやったのに争いになってしまったら、もうそれは親の責任ではない――。最後は、そう割り切ればいいんですよ。そういう気持ちは、大なり小なり子どもたちに伝わるはずだ、と私は思いますよ。

*遺留分 民法に定められた、相続人が最低限相続できる財産。

カテゴリ:遺産分割 遺言
関連記事
「他人」に渡るところだった遺産を死守
「内縁の妻」は法定相続人にはなれないけれど、被相続人と彼女の間にできた子どもは、立派な相続人。前回紹介した事例は、そんなケースでした。ところが、その話には続きがありました。結局、その子も、被相続人の「養子」も、遺産を受け取ることはできませんでした。税理士法人おしうみ総合会計事務所の鴛海量明先生に、事の顛末を語っていただきましょう。
「名義預金」か「贈与」か。単純ではない“損得”の分かれ道
ある人が、妻や子どもの名義の通帳を作り、「将来のために」と預金をするのは、珍しいことではないでしょう。ただ、そのことを名義人が知らなければ、それは相続の際には、「名義預金」とされ、被相続人の相続財産とみなされます。一方で、税務署は、そうしたお金について、「お父さんから、贈与を受けたのではないのですか?」と聞いてくることも。そのカラクリ、注意点について、税理士の 木村智行先生にうかがいました。
銀行が「ミスリード」することもある
相続には、被相続人と相続人以外にも、いろんな人や組織が関係することがあります。例えば、相続人の家族、税理士の先生、不動産会社や保険会社、もちろん税務署も。そして、それらの人々が、いつも「正しい」判断をし、アドバイスをくれるとは限らないのも、また事実。前回は、税務当局の「正しくない」行動を紹介しましたが、時には、金融機関が「間違う」こともあるようです。税理士の稲葉豊先生に聞きました。
相続が得意な税理士の無料紹介はこちら