姪っ子夫婦との二世帯住宅、「小規模宅地の特例」は使える?(1) ┃ 相続に強い税理士紹介 相続財産センター

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姪っ子夫婦との二世帯住宅、「小規模宅地の特例」は使える?(1)
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使えれば、相続時の宅地の評価額を大幅に減額することが可能な、「小規模宅地の特例」。しかし、前回も指摘されたように、その要件は複雑で、税理士でも適用には二の足を踏むことが少なくないようです。ただ、この分野に詳しい税理士の高橋安志先生は、「一見無理そうでも、小規模宅地の特例が使えることが、けっこうある」と言います。今回からは、実際に担当された事例をもとに、お話しいただくことにします。
たくさんのプロが間違えた事例

いきなりですが、問題をお出ししましょう。次のような場合に、小規模宅地の特例は適用されるでしょうか? ごく簡単に言うと、「おばさんが、自分の土地に、姪っ子夫婦と二世帯住宅を建てました。おばさんが死んで、姪がその土地を相続する時に、小規模宅地の特例は使えますか?」というものです。

小規模宅地の特例について少し勉強した方ならば、相続においてそれが適用されるのは、「亡くなった親と同居していた子どもや、同居していなくても賃借物件に住んでいる子どもが、自宅を相続する場合」といった「公式」が頭に入っているかもしれません。この「問題」の“肝”は、「相続になった時、小規模宅地の特例が使える親族はもっと幅広い」「では、どこまで認められるのか?」ということです。実は、これには税理士、弁護士、公認会計士など多くのプロが首をひねり、「誤答」を連発したんですよ。

最初に断っておきますが、これは、私が実際に経験した案件をアレンジしたもので、必ずしも特殊事例ではありません。少子化が進んで、子どもがいない家庭も増えていますから、今後、似たようなケースは確実に増えるだろうことも、容易に想像がつきます。何より、「小規模宅地の特例とはこういうものか」ということを理解していただくのに好例だと思い、最初に紹介させていただくことにしました。

「姪の夫」が家を建てる

状況を整理しておきましょう。すでに夫は亡くなり、自宅を相続して暮らす高齢の女性がいました。仮にAさんとします。彼女は、古くて広い家に一人暮らしをしていました。ところで、子どもができなかったAさんは、姉の子ども、すなわち姪のことを、わが子のようにかわいがっていました。その姪っ子は、結婚して専業主婦をしていましたが、夫婦は手狭なマンション暮らしで、「一戸建てに住みたい」が口癖です。

そこでAさんは、考えたんですね。古い自宅を取り壊し、今住んでいる土地に姪夫婦と二世帯住宅を建てたらどうだろうか、と。姪の夫は乗り気で、「自分がローンを組んで、家を建てていい」と言ってくれました。姪も「喜んで、おばさんの面倒をみる」と、「同居」を快諾です。Aさんには姉(姪の親)と弟がいましたが、「土地はすべて姪に譲る」という遺言書があれば、相続も問題なし。双方にとって、まことに好ましいプランでしたが、ネックは、「その相続時に、小規模宅地の特例が使えるのか?」ということでした。

土地の評価額は約1億円。特例が使えれば80%カットの2000万円ですから、相続税はかかりません。しかし、適用されずに相続税納税となると、姪夫婦にはその資金の確保が難しい、という状態だったんですね。

さて、小規模宅地の特例の適用、可か不可か? 実は、専門家が頭を悩ませたのは、「当該被相続人の親族」という、特例の適用要件に関する規定でした。「小規模宅地の特例が適用される『親族』とは、被相続人からみてどこまでをいうのか?」、このケースでは、「おばさんからみて、実際に二世帯住宅を建てる“姪の夫”は、『親族』に当たるのか?」ということなんですね。

さあ、いかがでしょう? 答えは、次回、お話しすることにします。

カテゴリ:節税
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