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息子の妻の父親との二世帯住宅、「小規模宅地の特例」は使える?(2)
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「小規模宅地の特例」が使えるのは、相続する建物の所有者、居住者が被相続人の「親族」である場合――。前回まで、法や税の専門家でさえ勘違いすることのある、その「親族」の定義について考えてきました。ところで、この分野に詳しい税理士の高橋安志先生は、「仮にその要件から外れた場合にも、手立てを尽くせば、OKにできる場合もある」と話します。
まず、所有者を移す

長男夫婦と同居する甲さんが、長男の妻の父親乙さんと資金を半分ずつ出し合って、自宅を甲・乙共有の二世帯住宅に建て替えた。一方には甲さん一家が住み、もう片方には乙さんが住む。甲さんが亡くなって相続になった時、小規模宅地の特例は使えるか? 答えは「NO」――というのが、前回ご紹介した事例でした。二世帯住宅の一方の所有者であり、実際に住んでいる乙さんが、甲さんからみて「親族」には当たらないからです。

でも、「父を身近に住まわせたいという親思いの娘」「そのお嫁さんの意を酌んで、自分の土地に二世帯住宅を建てた義理のお父さん」の気持ちを考えれば、なんとか「救って」あげたい気がします。実は、方法がないわけではないんですよ。

まず、乙さんが、自分の共有持分を、相続時精算課税(*)で娘さんに贈与するのです。そうすれば、二世帯住宅は甲さんと乙さんの娘さんの共有名義ということになります。前回も述べたように、「息子の妻」は、甲さんからみて「一親等の血族の配偶者」ですから、「親族」に含まれます。「建物の所有者が親族」という要件は、これでクリアできました。

では、もう一つの「居住者が親族」という要件のハードルを、どう越えるのか? ここからが「裏ワザ」です。

子どもは小学生か高校生か?

キーマンになるのは、意外にも長男夫婦の子どもなんですよ。夫婦に子どもがいて、その子が高校生以上の年齢ならば、十分、実現可能性のあるやり方。ただし、まだ小学生だったら、残念ながらこの「裏ワザ」を使うのは、ちょっと難しいでしょう。

何をするのか分かりましたか? 答えは、「子どもを、乙さんといっしょに住まわせる」でした。高校生ともなれば、「自分の部屋」で、独自の世界をつくりあげているでしょう。その空間を、丸ごと乙さんの居宅のほうに移動させてしまうわけです。孫は、問題なく甲さんの親族ですから、「居住者は親族」ということになります。

恐らく、子どもは大喜び。親としても、遠くのアパートに住まわせたりするわけではないですから、安心です。孫におじいちゃんの日常的な「見守り役」をやらせられる、というメリットもあるでしょう。これで、相続時に宅地の評価額を80%減らせる小規模宅地の特例が使えるのだから、一石二鳥、三鳥のプランだともいえます。

あえて言っておけば、この場合、「親族ではない乙さんも住んでいるじゃないか」と税務当局がクレームをつけることは、まず考えられません。逆に、事実認定で疑いを持たれないよう、「本当に住む」ことが条件になります。「住んでるふり」はダメですよ。小学生が無理なのは、「おじいちゃんと同居」というシチュエーションが、客観的にみてあまりにも不自然で、実際にもほとんどありえないからにほかなりません。

*相続時精算課税 贈与時に贈与税を納め、贈与者が死亡した時には、贈与財産を含めて相続税を計算したうえで、この相続税といったん支払っていた贈与税の差額を納付する、または還付を受ける納税方式。

カテゴリ:節税
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