「内縁の妻」は相続人? その子どもは? ┃ 相続に強い税理士紹介 相続財産センター

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「内縁の妻」は相続人? その子どもは?
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ただでさえ、揉め事に発展しやすい遺産相続。そこに「亡くなった父の愛人」が絡んだりすると、状況はいっそう複雑化します。中には、明らかに遺産目当てで近づいてくるようなケースも。税理士法人おしうみ総合会計事務所の鴛海量明先生も、やはり愛人絡みの、こんな事例に出会ったことがあるそうです。
◆「愛人」がいたゆえに、相続が複雑に

八木:税理士として長く相続の相談を受けていると、「えっ」と思うような家族関係を目の当たりにすることもあるのでは?

鴛海先生:それは珍しくないですよ(笑)。中には、超複雑なうえに、結局「嘘」がバレて一発逆転、なんていうケースもありました。ご紹介しましょう。

父親が亡くなって相続になった男性から、相談を受けました。遺産の総額は、現金に不動産、有価証券などを含めて、ざっと10億円程度でしたね。お母さんはすでに他界していて、他に血のつながった兄弟もいません。これだけなら相続人は依頼人1人という「簡単な相続」のはず。ところが、家族関係はことのほか複雑だったんですよ。

八木:それはどうしてでしょう?

鴛海先生:実は、60歳代後半だったお父さんには、40歳の愛人=「内縁の妻」がいたんですね。で、お父さんと付き合うようになってから、子どもができた。そこで、その子の認知をせがまれたわけです。「自分の子だから」と、お父さんはその通りにしました。それだけではありません。この女性には、彼と知り合う前にできた2人の「連れ子」がいたんですよ。お父さんは、「同じ兄弟なのだから、養子にしてやって」という彼女の願いを聞き入れて、その子たちも養子にしていたのです。

八木:なるほど。「複雑」の意味が分かりました。

鴛海先生:さて、この状態で相続になったわけですが、被相続人は遺言書を残していませんでした。ですから、法定相続分(※)に則った遺産分割が基本になります。それではこのケース、相続人は誰になるでしょうか?

※法定相続分 民法に定められた、被相続人の遺言書がない場合の、相続人の遺産の取り分。

◆相続人は誰なのか?

鴛海先生:実子である依頼人は当然として、内縁の妻は相続人でしょうか? 残念ながら、被相続人と婚姻関係がない場合には、法定相続人にはなれないんですね。ならば、被相続人と彼女との間にできた子どもはどうか? 法律上の婚姻関係のない男女の間に生まれた子どもを「非嫡出子」といいますが、被相続人と血のつながっている彼には、相続人の資格があるんですよ。この場合、父親が認知していれば、実子=「嫡出子」と同じ扱いになります。

付け加えておけば、父親が認知せずに死亡した場合でも、DNA鑑定で親子関係が証明されればOK。これを「死後認知」といいます。また、かつては「非嫡出子の相続分は、嫡出子の2分の1」という民法の定めがあったのですが、2013年9月に最高裁でその規定に違憲判決が出て以降、遺産の取り分も実子と同じになったんですよ。

では、あと2人の登場人物、被相続人の養子は? 実は彼らも立派な法定相続人です。民法上、養子は実子と同等の身分が認められるんですね。相続税の計算上、法定相続人の数に含める養子の数は一定数に制限されていますが、民法上は何人でもかまいません。

八木:この事例についてまとめると、相続人は、実子である依頼人と、被相続人が認知した子供+2人の養子という内縁の妻の3人の子供――の計4人。相続分はそれぞれ4分の1ずつということになりますね。

鴛海先生:ところが、実際にはそうではなかった。「逆転劇」の顛末は、次回お話ししたいと思います。

カテゴリ:遺産分割
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