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相続税、現金で払えなければ「物納」できる~その1~
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相続したのが、不動産や債券ばかりで現金は僅か。それらを売ってお金を作ろうにも、相続税の納税期限(※)まで時間がない――。そんなやむをえない場合には、現金ではなく「もの」で税金を納める「物納」が認められています。その要件はどんなものなのか、税理士法人みらい経営の神緒美樹先生にうかがいました。
◆やりようによっては節税効果の大きい相続税

神緒先生:前回、「相続は揉めないようにまとめるかどうかが勝負で、税金対策をやるのは当たり前」という話をしました。ただし、この「当たり前」を実行するためには、それなりの知識と経験が要ります。見方を変えると、所得税や法人税など他の税目に関する対策が、基本的に「繰り延べ」が中心になるのに対して、相続税、資産税というのは、各種の特例や金融商品などを組み合わせることによって、大きな節税効果が見込めるんですよ。

八木:税理士に相続税についての知識やスキルがあるかないかで、結果には大きな差が出るということですね。

神緒先生:そうです。これから、いくつか具体的な事例も紹介しながら、そうしたテクニックについての話をしてみたいと思います。今回は、「相続税の物納」についてです。

八木:けっこうハードルが高く、申請しても税務署に「ノー」を突きつけられることも多いんですよね。

神緒先生:相続税は「期限内に現金で一括納付」が原則で、物納というのはあくまでも「特例の特例」みたいなものですから、認められるための要件が厳格に定められているのです。ご紹介したい事例は、「外債の物納」なのですけど、800件近い相続をやってきた私でも、債権の物納というのは2例目だったんですよ。
◆「延納」でも払えない時に認められる物納

神緒先生:事例をお話しする前に、物納の概要を述べておきましょう。「現金一括納付」が原則の相続税ですが、一定の条件を満たせば「延納」することができます。簡単に言えば、相続税の分割払い。しかし、それでも納税が難しい場合に認められるのが、物納なのです。現金の代わりに、相続した不動産などの「もの」で税金を払うわけですね。国はそれを収納し、管理・売却して、税収とします。

これが認められるためには、相続税法で次の4つの要件をすべて満たす必要があると定められています。

(1)延納によっても金銭で納付することを困難とする事由があり、かつ、その納付を困難とする金額を限度としていること

(2)申請財産が定められた種類の財産であり、かつ、定められた順位によっていること

(3)物納適格財産であること

(4)物納申請書及び物納手続関係書類を期限までに提出すること

八木:相続財産だから、何でもかんでも物納できるというわけではないんですね。

神緒先生:「もの」は日本国内になければなりません。かつ①国債や地方債、不動産や船舶、特定登録美術品→②社債や株式、証券投資信託などの受益証券→③商品なの動産――と順位も決められていて、例えば納付額に相当する国債を相続したのに、株券で支払うといったことはできないんですよ。同時に、例えば担保権が設定されている不動産などは「物納不適格」として、認められません。

こうしてみても、おっしゃるようにハードルの高い制度であることは明らかでしょう。しかし、それは「不可能だ」ということとは違います。次回は、アクシデントを乗り越えて成功した事例を紹介します。

※相続税の納税期限 被相続人が亡くなってから10ヵ月
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