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相続になってわかった、「生産緑地」が解除できない!?
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昨日まで畑だった土地が整地され、やがて次々に住宅が建つ。都市の近郊などでは珍しくない風景ですが、自分の土地だからといって、「農地」を勝手に他の用途に転用することはできません。相続人に農業を続ける意思がない場合には、このことが問題を引き起こすこともあります。税理士法人みらい経営の神緒美樹先生は、こんな事例を紹介してくださいました。
◆相続人が知らないところで出されていた届

先生:私の事務所がある京都市でも、特に北部に行くと、農地が区画整理されて宅地化されている地域がたくさんあります。私は、こんな経験をしたことがあるんですよ。

もともと農業をしていた高齢の方が亡くなって、相続になりました。その人は、広い生産緑地を持っていて、子どもたちがそれを分けて相続することになったんですね。ただし彼らに農業をやるつもりはなく、別の土地活用を考えていました。

八木:まず、「生産緑地」について、簡単に説明してください。

神緒先生:ひとことで言えば、市街化区域(※)の中にある農地のことで、宅地に比べ固定資産税が大幅に軽減され、相続税の支払いも猶予されるんですね。なぜそんな優遇策が講じられるかといえば、税金の負担を理由に農業が続けられなくなることを避けるため。裏を返せば、生産緑地である限りは、農業を続けなければなりません。他の用途に使うためには、行政にその指定を解除してもらう必要があるのです。

解除の要件は、

・生産緑地指定後30年経過

・土地所有者ないし主たる従事者の病気やけがで、農業の継続が困難な場合

・土地所有者の死亡により相続した人が、農業に従事しない場合

となっています。

八木:このケースでは、3番目の要件に当てはまるのではないでしょうか。

神緒先生:相続人はみんなそう思っていたんですよ。ところが役所に行ってみたら、父親は以前にすでに『農業をやめる』という届を出していることが分かりました。にもかかわらず、生産緑地の解除申請はしていなかった。「同様の届け出を再度受理することはできない」というのが行政の立場で、結果的に生産緑地の解除ができなくなってしまいました。
◆しかし、奥の手があった

八木:困りましたね。どう処理したのですか?

神緒先生:偶然ですが、相続人の中にやや重い病気にかかっている人がいました。その方に土地を相続してもらい、その後、生産緑地の指定解除を申請しました。

八木:なるほど。さっきの2番目の要件を利用したわけですね。

神緒先生:申し訳ない気持ちにもなったのですが、本人や他の相続人の同意が得られましたから。むろん100%合法的な行動ですから、今度は行政も認めざるをえませんでしたよ。いったん地獄に突き落とされた思いをした相続人の方々にも、大変喜んでいただきました。口幅ったいようですが、それも農地法の生産緑地に関する部分の知識があったからできたことです。

八木:これまでお話しいただいた物納や、同族会社への貸付金の件にしてもそうですけど、相続は、税理士の先生に知識や経験が豊富かどうかで、結果に雲泥の差が出るということを、あらためて感じます。

神緒先生:特に、税務署なり自治体なりに1回「NO」と言われてからどうするかで差がつくように思うのですよ。私はそこからが仕事だ、くらいの気持ちでやってますよ。
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