「そんな馬鹿な!」にならないために~相続対策の不動産①~ ┃ 相続に強い税理士紹介 相続財産センター

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「そんな馬鹿な!」にならないために~相続対策の不動産①~
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「使っていない土地がある」「預金がけっこう貯まって、このまま相続になったら税金が高くなりそうだ」――。こんな場合に有効な対策の一つが、賃貸アパートを建てて経営する、といった不動産の活用です。空き地を持っている人には、建築会社などからの勧誘も多いそう。ただし、投資にはリスクがつきもの。今回から、東京中央税理士法人の田上敏明先生に、その注意点を中心にお話しいただきます。
◆アパートを建てると、土地の評価額は2割下がる

八木:相続税対策として賃貸アパートやマンション経営を始めるというのは、ポピュラーなお話ですね。先生のところにも、相談が寄せられるのではないでしょうか?

先生:そうですね。まず、相続対策としての不動産投資について、おさらいしておきましょう。相続税は、相続税評価額を基に計算されます。土地の評価には、都心部では路線価(※1)が使われるのですが、これはその土地の実勢価格の7~8割程度に設定されています。すなわち、1億円で購入した土地の相続税評価額は、8000万円程度になるわけです。現金を土地に替えることで、それだけ課税のベースを引き下げられるんですよ。

さらに、そこに賃貸物件を建てると、土地の評価はさらに2割程度下がります。アパートなどを建築して賃貸すると、賃借人に借地権、借家権が発生しますよね。そうすると、土地建物の所有者の自由が制約を受けることになりますから、その分減額しましょうというものです。こうした土地を「貸家建付地」と呼びます。ちなみに、借地権割合は、地域によって異なりますが都心では6~7割、借家権割合は全国一律30%と決められているのです。
◆建物の評価も下げられる

八木:だから空き地などがあると、「相続税対策に、アパートを建てませんか?」という話になるのですね。建物の評価については、どうでしょう?

先生:こちらも、「建築費から建物先の評価額を差し引いた差額」が評価減になるんですよ。「建物評価額」は、建築費の7割程度といわれる固定資産税評価額で計算されます。さらに貸家の場合は、そこから先ほどの借家権分30%が控除されることになります。

加えて、賃貸物件の建つ土地は、小規模宅地等の特例(※2)の候補地にもできます。空き地のままでは、適用の条件である「被相続人の事業又は居住用の土地」にはならないのですが、アパートの敷地ならばそれを満たすでしょう。200平方メートルまで、50%減額が受けられる可能性があるんですよ。

八木:そういう話をうかがうと、少なくとも空いている土地があるのだったら、アパート経営をしてみようかという気持ちになるかもしれません。

先生:ところが、今お話ししたのは、あくまでも教科書的なメリットなのです。実際には、アパート経営に手を出したばかりに老後の生活が危うくなってしまったなどといった例が、後を絶ちません。次回は、そんな話を紹介したいと思います。

カテゴリ:遺産分割 生前贈与
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