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事業承継のポイントとなる自社株対策
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会社を経営している人にとっては、相続の際、事業にかかわる資産をどうやってスムーズに子どもなどの後継者に引き継ぐかが、大きな課題になります。多額の相続税を課せられたりすれば、肝心の事業に悪影響を及ぼしかねません。中でも問題になるのが、自社株です。今回は、この自社株対策の必要性について、東京中央税理士法人の田上敏明先生にうかがいます。
◆非上場株式の評価方法には3つある

八木:経営者の方は、自分の財産とともに、事業の継続に必要な会社の資産も相続しなければなりません。事業用の土地建物ももちろんですが、気をつけたいのが自社株ですよね。

先生:そうですね。相続にせよ生前贈与にせよ、自社株の評価額が高いほど、支払う税金の額も膨らみます。相続してみたら、予想外の相続税を支払う羽目になり、事業の存続自体が危うくなってしまうような危険性さえあります。

八木:いくら「評価額」が高くても、上場株式と違って、その値段ですぐに誰かが買ってくれるわけでもないですし……。そもそも、その評価の仕方が複雑です。

先生:簡単に評価方法についておさらいしておきましょう。原則として3つのやり方があります。①事業内容の類似する上場会社の株価に比準して評価する「類似業種比準価額方式」、②その会社の純資産額をベースにする「純資産価額方式」、③配当額に準ずる「配当還元方式」です。③は特例的なもので、普通は①か②、ないしは両者の併用で評価されることになっているんですね。

どのやり方で評価するのかは、従業員数、総資産価額、取引金額を基にした、大会社、中会社、小会社という会社規模によって大枠が決められています。大会社は「①か②」の選択、中会社、小会社は「①と②の併用か②」の選択になるんですよ。一般的に言って、株価の評価においては①の「類似業種比準価額方式」が有利な傾向にあります。会社の規模が小さくなるにつれ、その①の要素は小さくなっていきます。
◆「持株会社」の設立などで、株価を下げる

八木:どの評価方法を選ぶのかで、株価も大きく変わってくるわけですね。私は、自社株の評価方法を変えて「更生の請求」(※)を行い、15億円あまりの税金を取り戻した例を知っています。

先生:そういうことが起こりうるわけですね。私は、例えば含み益の大きい会社などの場合に、資産額が反映される②ではなく①で評価できるよう、別々に持っている会社を合併させて、会社規模を大きくするよう、アドバイスしたことがあります。

八木:評価方法の選択以外に、株価を下げる手立てはありますか?

先生:例えば、持株会社の設立です。社長は、そこを経由して事業会社の株を間接保有することになります。この場合、事業会社の業績が伸びて株価が上がれば、それにより生じた利益にかかる法人税分、持ち株会社の株価評価額を引き下げられるんですよ。

八木:会社の成長は嬉しいけれど、株価のアップは悩ましい。そんなケースにぴったりなスキームというわけですね。
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