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遺言書を書かないデメリット、あなたは理解してますか?~その1~
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「正しい遺言書の書き方」。ネットには、そんな記事が並んでいます。しかし、実際にそれを残すのは、まだ少数派。そのために、相続人の間でトラブルが発生したり、被相続人の意思とは異なる相続になってしまったりということも、少なくないようです。税理士法人チェスターの荒巻善宏先生も、「どうして遺言書を書かなかったのか」と悔しい思いをしたことが、過去に何度もあったといいます。
◆同居して、親の面倒をみたのに……

八木:先生のところに相談に来るのは、やはり子どもなど相続人の方が多いのでしょうか?

先生:はい。本当は親が元気なうちから、自らの相続についてきちんと準備するというのが理想なのですけど、それをやる人はなかなかいません。かなりの資産家でも、遺言書さえ書いていなかったというのが、普通なんですよ。「遺言書があったら、状況は違ったのに」と思ったことは、1度や2度ではありません。

八木:例えばどんなケースですか?

先生:典型的なのが、子どもの中の1人が親と同居していて、献身的に介護もしていた。他の兄弟たちは外に出ていて、ほとんど実家に顔も出さなかった。親は当然のように面倒をみてくれる子に家を譲ろうと思っていたけれど、その意志を残すことなく他界してしまった――というパターンです。

この場合、仮に相続人が子ども3人だったとしたら、それぞれ民法に定められた法定相続分である3分の1ずつの財産分与を主張できます。実際、主張する方がほとんどです。家の他に現金などの遺産があまりない場合には、「家を売って分けよう」と言ってきたりもするわけです。親と同居していた子は、そうするか、実家を相続したうえで代償分割(※1)を行い、現金で清算するか。長年の苦労が報われないどころか、大きな負債を背負わされることもあるんですよ。

八木:「家はこの子に譲る」という遺言書さえあったら……。

先生:さきほどの法定相続分による遺産分割は、遺言書がない場合に適用されるんですね。遺留分(※2)には配慮しなければなりませんが、基本的に遺言書に書かれたことは、その通りになります。

◆「遺言書なし」は、揉め事になりやすい

八木:さっきのような例は、あまりにも理不尽ですから、争いになることも多いのではないでしょうか。

先生:そうなると、もはや弁護士さんにお渡しするしかなくなります。その結果、家庭裁判所による調停に持ち込まれることもあるし、何年も裁判で争うことも珍しくはありません。余談ながら、開業当初、ちょっとトラブルに入り込みすぎて、相続人様のお一人に事務所に怒鳴り込まれたようなこともありました。

八木:そのくらいヒートアップしてしまう。そうなると、早期の解決は困難になりますね。

先生:前にもお話ししましたが、私たちの仕事は揉めないための対策と、節税対策を講じることなんですよ。後者に関しては、生前贈与とか不動産を動かすとか生命保険を活用するだとか、我々の持つさまざまなテクニックを駆使することが可能です。ただし、揉めない対策のほうは、「遺言書で親の意思を示す」以上のものはない、と考えて欲しいのです。肝心のそれがなかなかできていないというのは、私からみていても、もどかしい気持ちになります。

八木:自らの遺志を実現し、相続人の争いを防ぐために、きちんと遺言書を書く。生前に、それだけは実行したいものです。

※1代償分割 財産を特定の相続人が取得し、それが他の相続人より多かった場合、その代償として金銭や物を他の相続人に支払う、という遺産分割の方法。

※2遺留分 民法に定められた、相続人が最低限受け取れる遺産のこと。

カテゴリ:節税
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