メリット大、リスクも大の「広大地」~その2~ ┃ 相続に強い税理士紹介 相続財産センター

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メリット大、リスクも大の「広大地」~その2~
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3大都市圏で500平方メートル以上、その他の地域は1000平方メートル以上で、周囲に同じような広い土地がなく、かつ戸建て住宅しか建てられない――。簡略化すると、それが「広大地」の適用条件だというのが、前回のお話しでした。それだけ聞けば、すんなり判断できそうにも思えるのですが、ランドマーク税理士法人の清田幸弘先生は「決してそうではありません」と話します。
◆カギになる、土地の使われ方

先生:おさらいすると、「広大地」が認められるのは、マンションが建てられず、結果的に「潰れ地」となる道路が不可欠な戸建て分譲で開発せざるをえない土地です。では、マンションが建てられるかどうかの判断基準は、どこにあるのでしょう?

八木:例えば、最寄りの鉄道駅から30分もバスに揺られる必要のあるマンションには、住みたくないですよね。

先生:そうした場所を宅地開発しようとしたら、やはり戸建て住宅ということになるでしょう。「1戸建てのマイホームを手に入れるために、少々の交通の便の悪さには目をつぶろう」というニーズをターゲットにするわけです。そうした環境にあるのならば、広大地が認められる可能性は高くなる。逆に、周囲に何棟もマンションが建っているような地域では、適用はかなり難しいと言えます。

ただし、それもあくまでも「一般的には」というお話で、税務当局から明確な基準が示されているわけではないんですよ。実際の相続では、すぐには適用の可否を判断できない「グレーゾーン」の物件が、山のように出てきます。当事務所には、税理士の他に不動産鑑定士や行政書士、税務署OBといったその道のプロが在籍していて、チームで検討を加えていくのですけれど、それぞれの意見が割れることは日常茶飯事。そういうレベルの「難しさ」なのです。

◆マンションの建つ土地が、広大地に認められた!?

八木:典型的な事例を教えてくださいませんか?

先生:対象の物件は、東京近郊の賃貸マンションの建つ土地でした。周辺にも、同じような集合住宅が点在しているというロケーション。にもかかわらず、広大地の適用が認められたんですよ。

八木:マンションが建てられる土地は、NGなのでは……。

先生:建てられたのは、周辺の物件も含めて、バブル期の真っ只中でした。実は、最寄りの駅からバス利用ということもあって、現在ではマンション建設は行われていません。当時と今とでは、土地に対するニーズ、利用環境が一変してしまったんですね。実際、そのマンションも空室だらけという状況でした。

そこで、空き部屋ばかりの古いマンションは取り壊し、新たに戸建ての分譲住宅として再開発するのが最も経済合理性に叶っている、という論理を組み立て主張した結果、税務署もそれを認めたわけです。「中高層の集合住宅の敷地用地に適しているものは除かれます」という国税庁の見解の字面だけではなく、あくまでも「これから実際に開発するとしたらどうなるか」という土地の利用実態に目を向けたことで、納税者の利益を守ることができました。ちなみに、最終的な納税額の減額は、1億円を超えたんですよ。

カテゴリ:節税
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