メリット大、リスクも大の「広大地」~その4~ ┃ 相続に強い税理士紹介 相続財産センター

トップページ > 遺産相続 「先生 教えて !」 > メリット大、リスクも大の「広大地」~その4~

メリット大、リスクも大の「広大地」~その4~
vol.192img
プロでも適用できるのかどうかに迷う「広大地」。なぜそうなるかといえば、「これが広大地です」という明確な基準がないからでした。この問題の是正に向けて、2017年度税制改正大綱には、「広大地評価方法の見直し」が盛り込まれたそうです。どのように変わるのか、ランドマーク税理士法人の清田幸弘先生に解説していただきます。
◆実は税務当局も迷っている!?

先生:「広大地」の適用に関しては、当事務所に在籍する税理士や不動産鑑定士などの間でも、同じ土地であるにもかかわらず、判断の分かれることが少なくないという話を、以前しましたよね。要するに、場数を踏んだ専門家でもそんなことになるほど、広大地の定義は曖昧なのです。

八木:だから、税務署がいろんな理屈をつけて、それを認めまいとする余地も出てくるわけですね。

先生:何を隠そう、彼ら自身も迷っているんですよ(笑)。担当者によって、「理屈」が違ったりするのだから。

基準が曖昧な原因は、その「出自」にもあります。現在の広大地評価が定められたのは、2004年。それ以前は、有効宅地化率(※)や不動産鑑定士による鑑定をベースに、「広い土地」の評価をやっていたのです。しかし、実際には、正確な算出のできるプロが税務当局の側にほとんどいないという問題もあって、今の方法に改められたわけですね。あくまでも簡略化が目的だったのですが、肝心の適用要件が大雑把すぎたために、ある意味余計に煩わしいことになってしまいました。

現在のやり方には、もう1つ大きな問題があって、平坦だろうが丘になっていようが、面積が同じならば同じ評価なんですよ。真四角の土地も境界線がグニャグニャであっても、同様です。

八木:それでは、明らかに不公平ですね。

◆「適用要件の明確化」が盛り込まれる

先生:そこで、タワーマンションの話にも出てきた2017年の税制改正大綱では、この広大地についても、評価方法の見直しが示されたんですよ。国の側には、広大地評価が相続税の「節税スキーム」になっているという問題意識もありました。具体的には、「現行の面積に比例的に減額する評価方法から、各土地の個性に応じて形状・面積に基づき評価する方法に見直すとともに、適用要件を明確化する」とされています。

以前説明した「路線価×広大地補正率×面積」という現在の評価は、「路線価×補正率×規格格差補正率×面積」に改められることになりました。「補正率」とは「形状(不整形・奥行)を考慮した補正率」、「規格格差補正率」は「面積を考慮した補正率」だと説明されています。この新たな評価方法が、来年1月1日から適用される予定になっています。

八木:先生は、この見直しを評価されますか?

先生:「適用要件を明確化する」とうたったわけですから、「現状は明確化されていない」という認識を当局も持っている。細部の詰めはこれからでしょうけど、形としては以前の不動産鑑定の世界に近づいていくのではないかと思われます。それに本当に税務署が対応できるのかという問題はありますが、方向性は評価していいのではないでしょうか。

あえて付言すれば、もしかすると、これはすべての納税者にとって有利な改正にはならないかもしれません。でも、一番いけないのは、人によって不公平が生じることだと、私は思っているんですよ。

※有効宅地化率 道路などの「潰れ地」を除く、敷地内で実際に宅地が建てられる面積の割合。

カテゴリ:節税
関連記事
「節税ビジネス」に踊らされてはいけない
「高い」相続税は、こんなやり方で軽減することができます――。世の中には、節税策が百花繚乱の趣です。むろん、誰しも無駄な税金は支払いたくないもの。ただし、策に溺れた結果、逆に重いツケを支払わされるようなことになっては、元も子もありません。ランドマーク税理士法人の清田幸弘先生は、そのきっかけになりかねない「節税ビジネス」に注意を促します。
絶対にやめるべし、「自筆の遺言」
相続に備えて、遺言を残すことが奨励されています。中には「自筆で簡単に遺言できる」と、書き方を指南する書物も。しかし、税理士の久野豊美先生は、その「危険性」を指摘します。自筆遺言にしたばかりに起こった「悲劇」とは?
相続で、持ち株比率が逆転!? あなたの会社、相続対策は大丈夫?
遺産相続といえば、思い浮かぶのは、預金に不動産。ただ、特に会社を経営していた場合には、自社株の価値が大きなウェートを占めることもあります。こうした株式の扱いが、遺産相続においては意外な盲点になる、と税理士の海老原 玲子先生は指摘します。どういうことなのか、ご自身の経験した事例も含めて、お話しいただきました。
相続が得意な税理士の無料紹介はこちら